吉行和子さんは1935年8月9日生まれですが、現役で活躍を続けられている名女優です。
そんな吉行さんですが、著名な方が勢ぞろいなご家族ですので、詳しく紹介していきたいと思います。
吉行和子の家族はどんな人?
吉行さんのお父さんは、作家の吉行エイスケさんです。
現在の県立岡山朝日高校に在学中、国家を望ましく思わず不必要なものという考えを持ち、その思想を詩作にあてることになります。
学校を中退した翌年に奥様と結婚し、作品の制作を続けます。
すでに存在する秩序や常識に対する否定や攻撃、破壊といった思想として知られるダダイズムの考えを持っていて、作品に色濃く反映されていました。
しかし、太平洋戦争が後に開戦する世の中に向かっていくなか、自分の思想を自由に作品に反映することが難しい時代になっていきました。
それに息苦しさを感じ、1934年に作品制作の世界から身を引くことになりました。
株式投資で生活をしていこうとはしましたが、その才能は無かったため生活は非常に苦しいものとなりました。そして、狭心症が原因で34歳の若さでこの世を去ってしまいました。
吉行さんのお母さんは、吉行あぐりさんです。
田中美里さんが主演した1997年のNHK朝の連続テレビ小説「あぐり」のモデルになった方です。
あぐり、という珍しいお名前は、次は必ず男の子が生まれてほしい、という願いでつけられた名前ですが、あぐりさんに弟がいたのかは明らかになっていません。
エイスケさんと結婚をした翌年に男の子を出産しました。
その後は、数年の修行をして、東京の五番町に山の手美容室をオープンさせました。
エイスケさんを亡くして約10年後に、美容室のお客さんとして出会った朝日新聞の記者と再婚を果たし、順風満帆に暮らしました。
美容室は、90代になっても常連客だけではありましたが現役を続け、当時の日本最高齢の美容師免許所持者として知られました。
そして107歳まで生き続け、その生涯を閉じました。
90代に入ってから、親子でよく海外旅行に出かけていたということで、年齢を感じさせない若々しさがそこにはありました。
吉行和子の兄弟はどんな人?
吉行さんは、3人兄弟の真ん中で、お兄さんは作家の吉行淳之介さんです。
幼少期は入退院を繰り返すなど身体が丈夫ではなく、大きくなってからも気管支喘息にかかり徴兵から返ってきたり、結核にかかったりするなど体調管理が大変でした。
お父さんは学業についてはそこまで重要視していなかったものの、淳之介さんは東京大学英文学科に合格しました。
しかし、大学を除籍になり、雑誌の編集をするようになると、その才能を見せ始めました。
編集をする傍ら、執筆活動を開始し、「原色の街」や「谷間」、「ある脱出」という作品で幾度となく芥川賞の候補に上がりましたが、惜しくも受賞を逃し続けました。
しかし、努力がやがて実を結ぶこととなり、1954年に「驟雨」という作品で芥川賞を受賞しました。
受賞をきっかけに、作家一本で暮らしていくことになりました。
妹さんは、小説家の吉行理恵さんです。早稲田大学第二文学部を卒業し、お父さんやお兄さんが作家だったこともあり、二人の影響を受けて自然と執筆活動を始めることになりました。
1981年には「小さな貴婦人」という小説で芥川賞を受賞し、兄弟で芥川賞受賞という快挙に当時は大変話題となりました。
猫がとても大好きで、猫に関する作品を多く執筆しましたが、2006年に甲状腺がんによって66歳の若さで亡くなられています。
妹の死に吉行さんは当時特別ショックを受けていました。
吉行さんが子供の頃は、お母さんは働いてばかりでしたし、お兄さんは10才以上も年齢が離れていましたのでそこまでの親近感はありませんでしたが、妹さんとは幼少期からよく一緒に行動し、とても大切な存在だったそうです。
余命数ヶ月と宣告されて、お母さんと妹さんの病院を行き来する時もあり、吉行さんはストレスをかなり溜め込みました。
お母さんは吉行さんが80歳の時に亡くなり、亡くなった直後に原因不明の病気で入院することもあったほどです。
家族全体の関係としては、家族団らんと呼べるようなものはなく、ある程度の距離を保って付き合うという珍しい環境だったようですが、妹さんとは一番仲良くしていました。
吉行和子に異母兄弟はいる?
吉行さんのお母さんは再婚をしますが、その再婚相手には連れ子の女の子がいました。自分の本当の兄弟と寝ている時に、再婚相手が寝ているところに入ってきて布団をいったん取って、自分の子供のところだけに布団をかけて出て行ったことがあり、この出来事に気付いていた吉行さんは、再婚相手に対して本音で接することはできない、と思ったそうです。
また、お父さんは女性にとてもモテていて、婚姻関係のない女性との間に子供がいた、という噂がありました。
NHKの朝ドラ「あぐり」でもそれを思わせるシーンがありましたが、事実かどうかは分かりません。
ただ、お父さんのモテぶりからいって可能性がないとは言い切れません。
なかなかキャラクターの濃い家庭環境で育った吉行さんですが、周りに左右されることなく自分のペースで自由に生きている人生のようです。